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  • Michihisa KOYAMA

節電2.0

 2022年の夏は、7年ぶりに節電要請が出されると話題になっています。節電という言葉が生まれたのは、2011年の東日本大震災に伴う原発事故で電力不足が話題となった時でした。それまでは「省エネ」という概念でしたが、ピーク時の電力が不足するのに対応して電力使用を抑制するということを意味する言葉として使われるようになりました(参考)。

 当時の節電と2022年の節電、これからの節電は異なる点があります。津波により原子力発電所・火力発電所が壊滅的ダメージを受け、供給力自体が不足したのが2011年夏の節電の背景でした。夏季のピーク時間帯となる10時~20時の長時間にわたって節電が必要となるだけでなく、当時は、通常は土日が休日であるところを業種ごとに平日を休日として土日に創業するなどの措置もあり、土日であっても場合によっては節電の必要がありました。

 2022年夏の節電要請の背景は、電力供給そのものは足りているが供給の予備力の比率がぎりぎりである、というものである。この場合、節電が必要となるのは、夏季でも限られた日となると考えられる。もちろん、CO2排出を減らすという観点では省エネは重要であることは言うまでもないが、週末などは節電の必要はないだろうし、平日でも節電の必要がない日も多いだろう。とはいえ、不透明なリスク要因としてウクライナへの侵攻に付随する国際的な天然ガスの安定調達が懸念されている。天然ガス自体が不足し電力供給がひっ迫するとまでの事態は容易には想像されないが、天然ガスの調達が困難となり供給が不足すれば、電力価格が高騰することは間違いないだろう。

 2011年と現在、そしてこれからの節電の違いは時間帯だ。2011年は、昼間の電力需要のピーク時間帯となる11時~16時を挟む10時~20時が節電要請の対象時間帯であった。今回の節電要請でもっとも厳しい時間帯は17時~20時頃だとの見方もある。2011年にはそれほど普及していなかった太陽光発電は、現在の昼間の電力供給に大きな役割を果たしている。その太陽光の発電がなくなる時間帯に需給がひっ迫するという視点だ。

 節電という概念が生まれた2011年は、平日・週末を問わず昼間の長時間にわたって電力の使用を我慢する必要があった。現在、そしてこれからの節電は、時間帯によってメリハリをつけた節電をすることが重要だろう。15時ごろまではエアコンで部屋をキンキンに冷やし、17時~20時はエアコンを弱めに稼働させる、などという姿もあるのではないだろうか。

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